こんにちは、東京肉骨茶(とうきょうばくてー)の伊藤です。 「いつか自分のキッチンカーを持ちたい!」と考えているあなたへ、前回に引き続き、私が経験した脱サラの人の開業までのリアルな手続きの流れと、特に注意すべきポイントをご説明します。
1. 準備・計画フェーズ(目安:1ヶ月〜2ヶ月)
このフェーズは、開業への土台作りです。
キッチンカーの構想を練りつつ、裏で煩雑な事務作業を進める、開業初期の期間です。
・事業計画と資金調達
キッチンカー購入の融資を受けるには、事業計画が必要になります。売上や原価など、なるべく具体的でしっかりとした事業計画書を作りましょう。事業計画の作り込みが審査を左右します。
・法人化 vs. 個人事業主
事業を始めるにあたって、法人にするのか、個人事業主でやるのかを決め、必要な手続きをします。メリット・デメリットをしっかり検討しましょう。
その際、注意したいのが、社会保険(健康保険・年金)です。
会社を辞める際、「任意継続(最長2年)」と「国民健康保険」の選択肢があり、家族構成や翌年の収入によって保険料が大きく変わります。社会保険は前年度の収入で決まりますので、会社勤めの収入で国民保険となると、かなりな金額になることがありますので、退職1年目は上限が定まっている任意継続がおすすめです。ただし、任意継続を希望する場合は必ず退職前に会社への申し出を
しなければなりませんので、注意しましょう。
2. 車両改装フェーズ(目安:2ヶ月目〜4ヶ月目)
この期間は、キッチンカーを準備する期間であり、開業までのスケジュールで最も時間を要する核となります。
・車両の選定と購入
新車か中古か、ベースとなる車両の状態によって、改装の難易度と費用が大きく変わってきます。
・改装業者(ビルダー)の選定
一般的な整備工場では、キッチンカーの内装や給排水設備は対応できません。後のトラブルを避けるためにも、キッチンカーの販売・改装を専門とする業者を選ぶのがよいでしょう。本格的な内装の設計・施工には、2〜3ヶ月は見ておくべきです。
・金融機関の対応
法人の場合、法人口座の開設が大変で、銀行によっては審査に数ヶ月かかることがあります。作った事業計画書を持って、信用金庫やネット銀行など、複数の金融機関に当たるのがおすすめです。
・「現物」の準備
営業許可や車庫証明など、ほとんどの手続きで「現物としてのキッチンカー」が必要になります。この期間を短縮したいなら、車両調達の悩みから解放されるレンタルを検討するのも一つの手です。
3. 認可・登録フェーズ(目安:5ヶ月目〜6ヶ月目)
車両が出来上がった後の最終確認と、営業に必要な公的な許可証を取得する、ゴール直前の仕上げのフェーズです。
・営業許可証の取得と検便検査
車両完成後、保健所の検査を受けます。ここで不備があると再検査になり、開業が遅れるため、改装時に、保健所の基準を業者と綿密に確認しておくことが極めて重要です。
・デベロッパーへの登録
デベロッパー(出店場所の運営会社)への登録が完了し、出店スケジュールが決まれば、いよいよ「営業開始」です。
手続きを進めるポイントは、「同時並行」と「専門家への依頼」
ここまでご説明したように、キッチンカーの開業には多くの手続きがあり、すべてを終えて開業に至るまでには、半年以上の時間がかかります。
つまり、さあ、始めようと思っても「待ち」の時間がとても長いのです。
特に時間がかかる「資金調達」と「車両調達・改装」を、他の行政手続きと同時並行で進めて、時短を目指すとよいでしょう。
また、専門家の力を借りるのも、手続きをスムーズに行う一つの手です。
行政書士や税理士に融資や手続きの一部を任せたり、キッチンカー専門業者の知見を借りたりすれば、あなたの負担はかなり減るはずです。
慣れない手続きを調べる労力を減らすことで、本来、力を入れるべき「美味しい料理の提供」のためのオペレーションや、仕入れ先の選定や、味の工夫といったことに、より注力できるでしょう。
ちなみに、東京肉骨茶はフランチャイズなので、確かな事業計画が立てられるため、融資も受けやすいというメリットがあります。
各種手続きについても、具体的なサポートができますので、いつでもご相談ください。






