「いつかは自分のキッチンカーで独立したい!」
そんな夢をお持ちのあなたへ。開業にあたって、一番のハードルと感じるのはやはり「お金」の問題ではないでしょうか。
「いったいいくらかかるんだろう?」 「自己資金だけじゃ足りない場合はどうすれば?」
ネットで「キッチンカー 開業」と検索すると、「やめとけ」「失敗」といったネガティブな言葉と一緒に、「資金」「補助金」といったキーワードが出てきて、期待と不安が入り混じっている方も多いと思います。
今回は、これから開業を目指す皆さんが最も気になる「資金」について、私の経験も交えながらリアルなところをお話ししたいと思います。投稿を追加
まず目指したいのは・・・
キッチンカーを開業するにあたって、必要な資金の内訳をみていきましょう。
もちろん、これはあくまで一つの目安です。
1. キッチンカーの車両代:約200万円
一番大きな費用は、もちろんキッチンカーそのものです。
数年前までは、キッチンカーの中古市場は非常に小さく、手に入れるためには新車で300万円以上かけるのが当たり前でした。しかし、コロナ禍でキッチンカーの数が一気に増え、そして社会が落ち着きを取り戻した今、中古市場が非常に厚くなっています。
これは、これから参入する皆さんにとっては大きなチャンスです。程度の良い中古車が、200万円程度でも見つけられるようになりました。自分の提供したいメニューに合わせて、最適な一台をじっくり選べる環境が整っています。
2. 設備・諸経費:約100万円
車両を手に入れただけでは、商売は始められません。調理に必要な機材や、営業許可の取得など、細かな費用がかかってきます。
- 調理設備: 私の店(バクテー)を例にすると、大きな寸胴鍋やハイカロリーコンロ、その他調理器具一式で40〜50万円ほどかかりました。
- その他備品: メニューを掲示するポップやのぼりなど、お店の顔を作るための備品。
- 資格取得・許認可: 営業許可の取得など、法的な手続きにも費用が必要です。
これらを全て含めると、約100万円を見ておくと安心です。
つまり、「車両代200万円」+「設備・諸経費100万円」で、合計300万円というのが、キッチンカーを"購入"して開業する場合の一つの目安になります。
「300万円なんて無理…」諦める前に知ってほしい資金調達法
「やっぱり大金が必要なんだ…」とがっかりした方もいるかもしれません。でも、諦めるのはまだ早いです。自己資金が足りない場合でも、道はいくつもあります。
選択肢1:融資を受ける(日本政策金融公庫・銀行)
事業を始めるにあたり、金融機関からお金を借りる「融資」は一般的な方法です。
- 日本政策金融公庫: 政府系の金融機関で、創業者には比較的低金利で貸し付けを行っています。ただし、コロナ禍が明けてからは審査が厳格化している傾向にあり、しっかりとした事業計画が不可欠です。
- 銀行・信用金庫: 普段から取引のある銀行に相談するのも手です。ある程度の預金があったり、取引実績が証明できたりすれば、貸してくれる可能性はあります。
ただし、どちらの場合も、これから始める事業の「信用」を証明するのは簡単ではありません。会社員時代の収入とは違い、事業計画だけでは「本当に返せるのか?」という信頼を得にくいのが現実です。
ここでポイントとなるのが「フランチャイズ」です。 すでに実績のあるフランチャイズに加盟することで、「このビジネスモデルは成功実績があります」という強力な裏付けとなり、金融機関からの信用度が格段に上がり、融資が通りやすくなるというメリットがあります。
選択肢2:「レンタル」で初期投資を抑える
「どうしても購入する資金がない」「まずは小さく試してみたい」という方には、キッチンカーのレンタルという選択肢がおすすめです。
レンタルであれば、月々のレンタル料を支払うことでキッチンカーを借りられます。この場合、高額な車両購入費はかかりません。
前述した設備・諸経費の約100万円があれば、すぐにでもビジネスをスタートできるのです。これは非常に大きなメリットですよね。私たちも信頼できるレンタル業者と提携しているので、ご紹介が可能です。
【重要】脱サラするあなたへ。「借金=悪」の発想を切り替えよう
これまで多くの方の開業相談に乗ってきましたが、特に会社員経験が長い方に多いのが、「借金をしたくない」という強い抵抗感です。
毎月決まった給料が振り込まれる安心感の中で生活してきたため、借金をして事業を始めることに恐怖を感じるのは、当然の心理だと思います。
しかし、ここで一つ、考え方を切り替えてみてほしいのです。
事業における借金は、個人の借金とは全く意味が違います。
大企業であれ、個人経営であれ、自己資金だけで事業を回している会社はほとんどありません。事業とは、**「金融機関からお金を借り、その金利以上に稼ぐことで利益を生み出すことなのです。借り入れをうまく活用し、事業を拡大していく。それこそが経営者の腕の見せ所です。
手元にある自己資金(例えば退職金など)は、あくまで万が一の時のための「お守り」。事業資金と個人の資産は、きっちり分けて考えることが重要です。
道は一つじゃない。まずは一歩を踏み出そう!
キッチンカー開業への道のりは、決して一つではありません。
- 自己資金300万円で、中古車を購入して始める。
- 融資を受けて、レバレッジを効かせたスタートを切る。
- まずは100万円を元手に、レンタルでスモールスタートする。
どんな形であれ、あなたの夢を叶える道は必ずあります。大切なのは、正しい情報を得て、経営者としてのマインドを持つことです。
今回の記事が、あなたの「はじめの一歩」を後押しできれば、これほど嬉しいことはありません。