はじめまして。東京肉骨茶(とうきょうばくてー)の伊藤です。

今回はキッチンカーのお仕事と体力についてお話しますね。

実は、キッチンカーの見学に来る方からは、「体力的にどうですか?」という質問はほとんど出ません。

皆さん、やる気でそこはクリアして来られるのでしょう。

しかし、いざ「一生の仕事」として考えた時、ふと不安になる瞬間があるのではないでしょうか。

「運送業の配達みたいに、重い荷物を何度も運び降ろしするんじゃないか……」

「大きな鍋を抱えて、車の段差を上り下りするのは無理かも……」 そんな不安を抱えている方へ、キッチンカーの現場を知る私から、体力の「本当のところ」をお話しします。

基準は「10キロ」を積み下ろしする数分間だけ

東京肉骨茶でいえば、一番重いと思われて、心配されるのは水やスープが入った20キロ近い寸胴鍋の移動です。

確かに20キロといえば、小学校3年生くらいのお子さんを抱える重さ。それを抱えて階段や車の段差を上るのは、私くらいの年齢になっても「うわ、重いな」と感じるものです。

でも、安心してください。

実際には「20キロ」を持ち運ぶことはありません。

以下がその理由です。

スープは売れていくもの

営業が終わる頃にはスープは減っています。満タンの状態で鍋を動かすことはまずありません。

寸胴鍋そのものは軽い

業務用の寸胴鍋自体の重さは2キロ程度。中身さえ調整すれば、女性でも軽々と扱えます。

このように寸胴鍋は問題ないのですが、本当に重いのはプロパンガスのボンベです。これが唯一重くて、約10キロ。

この10キロのボンベを、車に載せたり下ろしたりする「数分間」の作業さえできれば、キッチンカーの仕事は成立します。

しかも、これは毎日のことではなく、2週間に1回程度の作業です。

店舗運営よりも「健康的」で「続けやすい」

意外に思われるかもしれませんが、私は店舗を構えて営業するよりも、キッチンカーの方が体力的には楽だと思っています。

店舗だと広い厨房を掃除したり、中腰で作業したりすることも多いですが、キッチンカーはコンパクト。

「ちゃんと立って作業できる」設計になっていれば、狭い分、足腰への負担は驚くほど少ないです。

キッチンカーを転がしていた頃は、準備から片付けまでが「適度な運動」になり、帰ってから飲むビールも格別でした。

健康維持には最高の発散場所だと思います。

 「暑さ」は道具と知恵で乗り切る

体力面で唯一、大変なのは「夏場の暑さ」です。

火を使い、販売している間はエンジンを止めているので、車内の冷房は効きません。

これは確かに過酷です。

しかし、これも今の時代、解決策はいくらでもあります。

たとえば、最近はファン付きの空調ベストなど、便利な小道具が充実しています。

また、実質の営業時間は準備時間を含めて11時から14時、15時といった短時間。

ピークタイムを集中して乗り切るスタイルです。

寒さに関しては、火を使っているおかげで意外と平気なもの。

火力を少し強めれば、冬場はむしろ快適なくらいです。

60代からでも「余裕」で現役!

「もう若くないから体力的に心配……」と思っている方。

 60代からスタートしても、キッチンカーは全然いけます。

10キロの荷物を一瞬扱うコツさえつかめば、海外を飛行機で飛び回る出張族(以前の自分がそうでした)よりも、ずっと自分のペースで健やかに働けます。

日常の家事や、ちょっとした力仕事ができる方なら、体力的なハードルはすでにクリアしていると言っていいでしょう。

「動けるうちに、自分のお店を持ちたい」

 その夢を、体力の不安で諦めるのはもったいないですよ。